園の保育方針
「わたしの目には、あなたは高価で尊い。
わたしはあなたを愛している。」 聖書
「ひとり一人を大切にする教育」がうたわれて久しくなります。かおりでは開園当初から、上の聖書の言葉に基づき、保育を展開してきました。神様の前ではどんな子どもも、みんな高価で尊い宝物としてつくられています。
その子の存在は、何かが出来るとか、とても頭が良いから、言うことをきく良い子だから尊いのではなく。まだまだ何も出来なくても、泣き虫でも、臆病者でも・・・。どんな子もその存在は宝物です。私たちはその宝物を、どのようにしたら大切に出来るのか?日々、保育の中で考えてまいりました。その考え方の基本は、いつも聖書にあります。
聖書は「ただ、自分の敵を愛しなさい。」と教えています。自分の意に反する人、敵対する人を愛すること。私たちには、とても難しいことです。しかし、イエス様はそれを貫いたお方です。まず、その人をよく見て、話しを聞いて触れて一緒に食事をして、相手の弱さや痛んでいるところをよく知り、その人を愛されてきました。
それを保育の理想としています。「ひとり一人を大切にする。」具体的にはどうするのか?その子に近づき、よく見て、一緒に遊び、話しを聞いて寄り添います。どこでもやっている普通のことです。しかし、その普通に当たり前のことが今、出来なくなってきています。
隣人としての信頼関係が薄くになっています。相手に近づき、見て、聞いて、触って、私たち人間が本来持っている五感を働かせること、豊かにしていくことが、その第一歩です。私たち保育者自身がそれに心掛けることにより、子どもたちにもその豊かさが養われていく保育を日々実践してまいります。
五感のあと二つ、味覚と臭覚は食育です。もともと当園は、お泊まり会やお店屋さんごっこでは子どもたちとパンを焼き、お誕生日会には、いい匂いを嗅ぎながら手作りのお菓子を楽しみます。幼稚園のいい匂いは、きっとキッチンから流れる甘い香りだと思います。今年も畑やクッキングの経験を豊かにするように心掛けていきます。
保育の中でホットケーキを作った時のことでした。それまでも、ままごと遊びの中で、フライ返しは使われていましたが、その後のままごとでは、フライ返しが主役になっていました。いつもそばにあっても、ただ見過ごしてしまうものは沢山あります。しかし、自分自身が手を掛け、取り組んだものは更に興味深く、そして、生活の豊かな展開につながります。
大事なのは沢山の経験をすることではなく、子どもの五感に刺激する経験をすることです。そんな保育展開を目指しています。知識を増やすことや泳げるようになることや、何かが出来るようになることよりも、この幼児期にしか育たない情緒を育てることが今大切です。